立場が人を作るというのはあると思う。
俺は今日間違って会議で一番の上座に座ってしまい、
終わりまでそのまま過ごしたけど、
なぜかその場で一番偉い感じの役割をする人になったもの。
客との会議だったんだけど、
まあ厳密にいえばこっちが製品を買うから客なんだけど、
客が我々の方に説明するときに必ず俺を見て説明するんだよね。
一番上座に座ってるから、一番権限があると思われている。
全くそんなことないんだけど。
それどころか、役職も何もないのは俺だけだから。
一番下っ端が一番上座に座っている。
もはや神の悪戯というほかない。しかも名刺も忘れた。
だから肩書きが伝わっていない。
なので全然偉くないことが客にバレていなくて面白い事態になっていた。
それで、会議ではヒアリングと称して客がこっちにいろいろ聞いてくるんだけど、
一番上座に座ってるから、俺は結構強気に行けちゃう。
議論の主導権を握って、場を掌握できちゃう。上座は楽だよ。
下座に座っている私の上司たちは、
下座に座ってるからなのか、
客からの質問にあんまり上手く答えられない。
そこで、上座の私が助け船を出してあげる。
「これこれこういうことを聞いているみたいだけど、そこらへんはどう?」
みたいな感じで。タモリ的なノリだ。
上司も下座に座っているから、
「あ、はい…ちょっとよくわからないもので、あとで回答していいでしょうか」
とか客に向かって言ってる。立場が人を作るね。
というか、会議という一瞬のロールプレイで
こんなにも簡単に人格が変わってしまうのか。
なんだか恐ろしい。単なる会議が心理学実験の様相を呈している。
客も、下座に座っている上司たちには心無しか冷たい。
「後で回答すると言われていた事柄については、
メールべた打ちで構いませんので私の方まで送ってください」
とか言っている。強気に出るのはおかしいだろ。
厳密にいえば客はこっちなんだから。
すかさず私が、
「会議で出た質問事項を一覧にしてメールで送ってください。それに回答します」
と切り返して助け舟を出してやる。
会議を振り返って書面化するという
手間のかかる行為をこちらにさせるんじゃない。
あくまでこっちが客側だ。
こういう主導権の握り返しのような交渉も上座にいるとやりやすい。
そういうわけで会議は終わった。
終わったら何も言ってないのに上司たちが言い訳をしてくる。
客たちにあまり上手に回答できなかったがあれでよかったのだろうかとか何とか。
俺は黙ってそれを聞いて、いやいや大丈夫ですよとフォローする。
「客ももっと簡潔に話を進めて、不要な質問は最小限にすべきですよね」
というような、まさに上司が部下にフォローするようなセリフを、
部下である私が上司にするというなんだかよくわからない事態になっていた。
立場が人を作るね。
というか、会議での座り位置によって人格まで変わってしまう。
会議は恐ろしいよ。
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